曼荼羅アーティストの大迫弘美です。
主にボールペンを使った曼荼羅アートを描いています。
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原画「synapse」
曼荼羅(マンダラ)とは、仏教などの教えを象徴的な図形や絵画で表し、宇宙の構造や悟りの境地を示したものです。
サンスクリット語の「マンダラ(Manda・la)」に由来し、「円」「本質を得る」「中心がある」という意味があります。
仏教では、古くから儀式や修行の場で使われ、瞑想や精神的な学びを深めるための図像です。
曼荼羅を通して仏さまとのつながりを感じたり、自分自身の内面と向き合うための道しるべになりえます。
この記事で分かること
単なる装飾的なものではなく、心や魂に響くスピリチュアルアートとしての曼荼羅を紹介します。

目次
曼荼羅のスピリチュアルな意味
曼荼羅は“宇宙の地図”──内なる世界と外なる世界を結ぶ
-Wikimedia Commons/File:Hevajra_Mandala.jpg
曼荼羅は、「宇宙と個人の意識をつなぐ地図」としての意味を持つと言われています。
中心から外に広がる構造は、魂の本質から現実世界へと広がる意識の流れを表しており、「自分とは何か」「どこから来てどこへ向かうのか」といった、根源的な問いに導いてくれます。
曼荼羅を観ることで、自分の内側に深く潜ることができます。
そのプロセスはまさに“内的宇宙”の探求です。
こうした曼荼羅の構造は、多くのスピリチュアルワークで「統合」「覚醒」「目醒め」の象徴として用いられています。
色や形がもたらすエネルギーと波動の影響
曼荼羅に描かれる色彩や図形は、それぞれが特有の波動やエネルギーを持っています。
それは、観る人の心や体、さらにはオーラ(エネルギーフィールド)に影響を与えるとされます。
色がもたらすスピリチュアルな意味 赤色:生命力 情熱 活力 グラウンディング 行動力を高める。 オレンジ色:創造性 喜び 感情の解放 創造的なエネルギーを活性化する 黄色:知性 自信 希望 明るさ 自己肯定を高める 緑色:癒し 調和 愛 成長 内面の平和や他への共感を育む 青色:真実 直感 冷静 表現 誠実なコミュニケーションをサポートする 紫色:精神性 変容 インスピレーション 直感や霊性を高める 金色:神聖 豊かさ 叡智 覚醒 高次のエネルギーや内なる光を象徴する 白色:純粋 浄化 無限の可能性 全体性や調和をもたらす
図形がもたらすスピリチュアルな意味 円(Circle):永遠 調和 宇宙 完全性 宇宙や魂の完全性を表す 心の中心に戻る象徴 正方形(Square):安定 基盤 地に足をつける力 物質世界や四元素(地・水・火・風)を表す 現実とのつながり 三角形(Triangle):調和 変容 エネルギーの流れ 上向き△「上昇・精神性・男性性」 六芒星(ヘキサグラム / 六角形・Star of David):統合 調和 宇宙のバランス 渦巻き(Spiral):成長 進化 魂の旅 内面の成長や意識の拡大、再生のサイクルを表す
下向き▽「受容・女性性・直感」を表す バランスや創造の象徴
天と地、男性性と女性性、精神と物質の調和を表す
これらの色や図形を組み合わせ、曼荼羅はスピリチュアルアートとして、癒しや調整、プロテクトなどに活用されます。
曼荼羅をエネルギーワークや瞑想に取り入れ、チャクラのバランスを整え、波動を高めることができるのです。
曼荼羅とチャクラの関係
五色に描いた曼荼羅アート
チャクラとは、サンスクリット語で「車輪」や「回転」の意味です。
そこから転じて、心身に働きかけ回転しているエネルギー(氣・プラーナ)の出入口のことをいうようになりました。
体の中心線に沿って並ぶ7つのチャクラは、それぞれが色や感情に対応していて、曼荼羅アートにもよく取り入れられるテーマです。
たとえば、赤は第1チャクラ(グラウンディング)を、緑は第4チャクラ(ハート・愛)を、紫は第7チャクラ(精神性・霊性)を象徴しています。
チャクラ | 位置 | 色 | テーマ |
第一チャクラ | 尾てい骨 | 赤 | グラウンディング、安全、安心 |
第二チャクラ | 丹田 | オレンジ | 感情、創造性 |
第三チャクラ | みぞおち | 黄 | 自信、社会性 |
第四チャクラ | ハート | 緑 | 愛、調和 |
第五チャクラ | 喉 | 青 | 表現、コミュニケーション力 |
第六チャクラ | 眉間 | 藍 | 直感、真実を見る力 |
第七チャクラ | 頭頂 | 紫・白 | 精神性、霊性、宇宙とのつながり |

曼荼羅を日常に取り入れるには
曼荼羅瞑想──静けさの中で“本当の自分”に出会う
曼荼羅は、瞑想のガイドとして効果的なツールです。
幾何学的に整ったその形に視線を集中することで、思考が静まり、深いリラクゼーション状態に導かれます。
中心に意識を向けると、「今、ここ」に存在している感覚が高まり、自分の内なる声や魂に繋がることができます。
これは、日常の忙しさの中で忘れてしまいがちな“本来の自分”に戻るためのシンプルな方法です。
数分間でも曼荼羅を見つめる時間を取ることで、心がリセットされ、感情も落ち着いていきます。
曼荼羅アートは、特別なアイテムではありません。
たとえば、曼荼羅アートを部屋に飾る、スマートフォンの壁紙にする、朝の瞑想前に見るなど、日常に取り入れることができます。
さらに、自分で描いた曼荼羅アートであれば、そのエネルギーは自分の波動と深く共鳴し、より強く心身に作用します。

曼荼羅アートを色で楽しむ5つのヒント
原画「over the rainbow」
これまでの内容で、曼荼羅アートが見るだけで癒されるスピリチュアルアートであることを分かっていただけたと思います。
ここでは、特に「色」の力を意識して選ぶことで、曼荼羅アートが心や空間に働きかけるヒントをまとめてみました。
① 好きな色を目につく場所に置いてみる
「オレンジ色の曼荼羅を枕元に置いたら、朝の目覚めがスッキリした」という感想をいただいたことがあります。
お気に入りの色は、自然と気持ちを明るくしてくれるお守りのような存在です。
② 色の心理的な効果を取り入れる
ちょっと落ち込んだときや気分を変えたいときは、色の力を頼ってみましょう。
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🔴 赤:元気を出したいとき、やる気がほしいときに。
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🟢 緑:心のバランスを整えたいときに。
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⚪ 白:気持ちをリセットして、新たにスタートしたいときに。
③ 開運カラーをお部屋にプラス
風水でも色の配置は大切なポイントです。
たとえば「西に黄色」「南にキラキラしたもの」は金運や活力アップに良いとされています。
スワロフスキー入りの曼荼羅アートなどを飾って、運気の流れを整えてみるのもおすすめです。
④ 空間に合わせてカラーコーディネート
サロンや自宅のインテリアに合わせてた色で曼荼羅アートを選ぶと、統一感が生まれます。
「自分だけの癒しの空間」を演出できます。
⑤ レインボーカラーで前向きに
虹色は「願いが叶う」「未来が明るくなる」など、希望の象徴です。
チャクラのバランスを整える色でもあり、レインボーカラーの曼荼羅アートは心にパワーをくれる存在です。

その日、その時の気持ちに寄り添ってくれる曼荼羅アートを、ぜひ暮らしに取り入れてみてくださいね。

見ていると心が整い、空間に彩りを与えてくれる曼荼羅アート。
その繊細な図形には、宇宙や自然、内なる自分が表現されています。
リビングに飾ってお客さまのおもてなしに、また、玄関に飾ることで、空間がクリアになりさらに明るい印象になります。

お気に入りのアロマやキャンドル、小さな観葉植物など、癒しグッズと一緒に飾ると、それだけで小さな「パワースポット」が生まれます。

大きな作品でなくても大丈夫。
小さな曼荼羅アートは、本棚のすき間や出窓、デスクの隅などにそっと置くだけで、まるで小さな花を飾るような感覚で楽しめます。
曼荼羅アートを描く画材はさまざまです。
「中心があり、放射状に図形を拡げて描く」のが曼荼羅アートだとしたら、画材はどんなものでも良いのです。
おもな画材については↓こちらの記事にまとめています。
ここでは私がメインで使っているペンで描く曼荼羅アートを紹介します。
ペンで描く曼荼羅アートは、ペンと用紙があれば始められるアートです。
カラーバリエーション豊富なボールペンやマーカーペンを使い、色が映えるので黒画用紙を使っています。
特殊な画材は要らないので、初心者の方も安心して始めることができます。
初めての方は、まず見本が用意されているワークショップで体験してみるのをお勧めします。
描き始めると、描くことに集中します。
日頃の雑念から離れ、静かな時間が流れ始めます。
これが、描く瞑想といわれる所以。
90分ほどで完成する曼荼羅アートは、達成感を味わえる貴重な体験です。
少しの歪みや不完全さも、自分だけの個性として愛おしく感じらるのです。

曼荼羅アートの魅力のひとつには、「同じ見本でも、同じ作品にはならない」ということが挙げられます。
例えると、同じレシピで料理を作っても、作る人によって味が変わるようなものです。
たとえ見本が同じでも、線の引き方、点の置き方、配色の選び方など、ちょっとした「手の癖」や「心の状態」が自然と作品に映し出されていきます。
丁寧に描いた細い線、勢いのある太い点、思わずにじんでしまったインクの跡でさえ、その人らしさとして表現の一部になるのです。
ワークショップなどでは「同じ図案なのに、なんだか雰囲気が違う」と感じることがあります。
それは、人それぞれが持っている「色の感性」や「リズム」「心のトーン」が、曼荼羅アートになって現れるからです。
そして大切のは、その違いが優劣ではなく、どれも「その人らしい美しさ」だということです。
曼荼羅アートを描く時間は、完成した作品を見せ合うことが、自己表現の尊重と他者理解につながる優しい時間になります。

互いの「違い」を通して、自分の感性に気づき、人の魅力を知り、自然と「認め合う」ことができるのです。
だからこそ、曼荼羅アートは**「比べる」のではなく「感じる」アート**。
心にそっと自信や安心感を育ててくれます。