マクラメ編みは「結び」で美しい模様や立体感を生み出す、人気のハンドメイド技法です。
アクセサリーやコースター、タペストリーやプラントハンガーなど、暮らしを彩るアイテムを作ることができるため、初心者から上級者まで多くの人に愛されています。
マクラメ作家&曼荼羅アーティストの大迫弘美です。
本記事では、「マクラメ 編み方 基本」 をテーマに、代表的な6種類の結び方を図解付きでわかりやすく解説します。
基本の編み方はたくさんある中から、平編み、ねじり編み、巻き結び、タッチング、ライン結び、四つ編みの6つを厳選しました。
これらを覚えれば、マクラメ作品の幅が一気に広がりますよ。
この記事で分かること
- マクラメ編みに必要な道具
- 基本の編み方①平編み
- 基本の編み方②ねじり編み
- 基本の編み方③巻き結び
- 基本の編み方④タッチング
- 基本の編み方⑤ライン編み
- 基本の編み方⑥四つ編み
- 美しく編むためのコツ

目次
マクラメ編みの基本とは?
マクラメ編みの魅力と歴史
マクラメ編みは、古代から伝わる結びの技法です。
中世ヨーロッパではカーテンや装飾に用いられ、航海時代には船乗りがロープを結ぶ技術として受け継がれてきました。
現在では、ハンドメイドアクセサリーやインテリア雑貨として人気があり、ナチュラルで温かみのあるデザインが特徴です。
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必要な道具と糸
マクラメを始めるのに必要な道具はとてもシンプルです。
-
糸(コットンロープやワックスコード)
-
はさみ
-
メジャー
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作業用ボード
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クリップやマクラメピン
糸は何を作るかで変わります。
キッチン雑貨やインテリアならコットンロープ、アクセサリーなら1~0.5㎜のワックスコードがおススメです。
基本を覚えるメリット
糸の太さが変わっても基本の編み方は同じです。
一度覚えると、アクセサリーからインテリア雑貨まで、あらゆる作品に応用できます。
最初は比較的単純な平編みやねじり編みから始めて、チカラ加減を習得しましょう。
初心者はどうしてもゆるく編みがち。
それはマクラメ「編み」という言葉から、毛糸の編み物を連想するからかもしれません。
マクラメ編みは、編むというより「結ぶ」に近い手法です。
糸と糸を結んで繋いで、美しい模様を創り出しているのです。
マクラメ編み方 基本の6種類【画像付き】
ここからは、代表的な6種類の結び方を紹介します。
初心者でも覚えやすいものから順に取り上げています。
1. 平編み
平編みは、最も基本的で汎用性の高い結び方です。
左右交互に糸を組み替えることで、平らな模様を作ることができます。
特徴
-
アクセサリーのベースに最適
-
ベルトやバッグの持ち手にも活用可能
-
結び目が安定しやすい
- ブレスレットやネックレスのアジャスター部分に使われる
一定のリズムで繰り返し結ぶことで、美しい仕上がりになります。
(左上)平編みの編み方
- 中心に芯糸(1本以上)を置き、両端に1本ずつ編み糸を配置(編み糸aと編み糸b)
- 編み糸aを図のように芯糸の上~編み糸bの下に渡す

- 編み糸bを図のように下を通して編み糸aの上から出し、編み糸aとbを左右に引いて芯糸に結び目を作る
- 右側にある編み糸aを図のように、芯糸の上~編み糸bの下を渡す
- 編み糸bを図のように下を通して編み糸aの上から出し、編み糸aとbを左右に引いて芯糸に結び目を作る。
- ②~⑤で一目と数える画像差し替え ②から⑤を繰り返す。

- ②から⑤を繰り返す

2. ねじり編み
ねじり編みは、平編みを同じ方向だけで結び続ける方法です。
編み目が螺旋(らせん)状にねじれ、立体感のある模様ができます。
特徴
-
ブレスレットのデザインによく使われる
-
見た目に動きがあり、シンプルでも映える
-
糸の色を変えるとさらに華やかに
左上ねじり編みの編み方

- 中心に芯糸(1本以上)を置き、両端に1本ずつ編み糸を配置(編み糸aと編み糸b)
- 編み糸aを図のように芯糸の上~編み糸bの下に渡す

- 編み糸bを図のように下を通して編み糸aの上から出し、編み糸aとbを左右に引いて芯糸に結び目を作る
- ②③を繰り返すと、左上から右下に伸びる螺旋状の編み目ができる
右上ねじり編み

- 中心に芯糸(1本以上)を置き、両端に1本ずつ編み糸を配置(編み糸aと編み糸b)
- 編み糸bを図のように芯糸の上~編み糸aの下に渡す

- 編み糸aを図のように下を通して編み糸bの上から出し、編み糸aとbを左右に引いて芯糸に結び目を作る
- ②③を繰り返すと、右上から左下に伸びる螺旋状の編み目ができる
3. 巻き結び
巻き結びは、芯糸に沿って糸を巻き付けるように結ぶ方法です。
芯糸を上下左右斜めのどの方向に引くかで編地の方向が決まり、その組み合わせによって模様を作ることができます。
デザイン画のとおりに模様を作れるため、タペストリーや細やかなアクセサリー作りなどで重宝される編み方です。
特徴
-
模様作りには欠かせない
-
縦や斜めの模様を自由に作れる
巻き結びの編み方

- 右側に編地を作りたい場合、2本のうちの左側が芯糸、右側が編み糸になる
- 芯糸を編地を作りたい方向に引いて、その下から編み糸を取る

- 編み糸を図のように芯糸の上からかけて「わ」から出し、輪を引き締める
- ③をもう一度繰り返す

- ③④で一目と数える

巻き結び|基本のひし形の編み方
巻き結びで模様を作るときの基本の編み方です。

- 上記「巻き結び」の編み方の⑤からのつづき。図のように芯糸の下から編み糸(緑色の糸)を出す
- 巻き結びを一目編む

- 左側も同じように、
- 芯糸の下から編み糸を出して、巻き結びを一目編む

- 右側2本で編む
- 編地の方向を変えるので、芯糸を左下に向けて持ちその下から編み糸を出して巻き結びを一目編む

- 左側の2本も⑤⑥と同様に、芯糸を右下に向けて持ってその下から編み糸を出して巻き結びを一目編む
- 左右にできた編地を合わせる

- 芯糸が上、編み糸を下から出して
- 巻き結びを一目編む。基本のひし形の完成。

4. タッチング
タッチングは、レース編みなどでも使われる細かい結び方です。
この編み方を使って穴のない天然石を包むことができます。
特徴
-
長いライン(編地)を作ることができる
-
アクセサリー・インテリア雑貨づくりなど幅広く使える
タッチングの編み方①|右タッチング
芯糸の右側に編み目ができる編み方です。

- 右側2本で編む
- 芯糸を持ち、その下から編み糸を出す

- 編み糸を芯糸の上からかけて、「わ」から出し引き締める
- 次に同じ編み糸を芯糸の下から回して、「わ」に通して引き締める

- ③④で一目と数える
- 連続して編むと任意の長さの編地ができる
タッチングの編み方②|左タッチング
芯糸の左側に編み目ができる編み方です。

- 左側2本で編む
- 芯糸を持ち、その下から編み糸を出す

- 編み糸を芯糸の上からかけて、「わ」から出し引き締める
- 次に同じ編み糸を芯糸の下から回して、「わ」に通して引き締める

- ③④で一目と数える
- 連続して編むと任意の長さの編地ができる

5. ライン結び
ライン結びは、タッチング同様、長いラインを作るときに用いられる編み方です。
タッチングとの違いは、ぼこぼこした編み目が見えにくいことです。
特徴
- 長いライン(編地)を作ることができる
- アクセサリー作りに向いている
ライン編みの編み方
編み目が見えにくく、真っすぐなラインを作りたいときに向けている編み方です。

- 芯糸と編み糸を決める
- 芯糸を持ち、その下から編み糸を出す

- 編み糸を芯糸の上からかけて、「わ」から出し
- 引き締める。これで1回と数える

- 芯糸を持ち替え、その下から編み糸を出す
- 編み糸を芯糸の上からかけて、「わ」から出して引き締める

- 芯糸を持ち替えてその下から編み糸を出し、編み糸を芯糸の上からかけて「わ」に出し引き締める
- ⑤⑥⑦を繰り返す、任意の長さに編む

6. 四つ編み
四つ編みは、4本の糸を交互に編み込む方法です。
三つ編みの応用で、丸い紐状の立体的な仕上がりになります。
特徴
-
ネックレスやストラップの紐に最適
-
引き締めながら編むときれいな仕上がりになる
四つ編みの編み方

- 4本の糸を用意
- 図のように中2本を交差する

- 左端の糸(黄色の糸)を、図のように下を通して動かす
- ②で動かした糸(ピンクの糸)と交差する

- 左右2本ずつ持ち、ギュッと引いて引き締める
- 右端の糸(緑色の糸)を、図のように下を通して動かす

- ③④で動かした糸(黄色の糸)と交差する
- 左右2本ずつ持ち、ギュッと引いて引き締める

- 左端の糸(水色の糸)を、図のように下を通して動かす
- ⑥⑦で動かした糸(緑色の糸)と交差する

- 右端の糸(ピンクの糸)を、図のように下を通して動かす
- ⑨⑩で動かした糸(水色の糸)と交差する

- 左右の端の糸を交互に動かし、左右に引き締めながら任意の長さに編む
- ⑤⑥⑦を繰り返す、任意の長さに編む

初心者が知っておきたいマクラメ上達のコツと作品アイデア
よくあるつまずきポイントと解決法

マクラメを始めたばかりの方がつまずきやすいのは、糸の扱い方や編む力の強弱です。
ちょっとした工夫で改善できるので、以下を意識してみましょう。
糸の長さを短く取りすぎない
必要な長さより少し余裕を持ってカットすると安心です。
余りが出ても作品に流用できますが、短すぎると途中で足りなくなってしまいます。
編む力の強弱を均一にする
常に一定の力加減で編むことが大切です。
特に巻き結びの最初の一回目はゆるくなりがちなので注意しましょう。
左右のバランスを整えるには、利き手で持つ糸をやや弱めに編むのがおすすめです。
模様をそろえる工夫をする
作業ボードにクリップやピンで固定すると、芯糸が安定し模様もきれいに整います。
また、使わない糸もクリップなどでよけておくと作業しやすくなります。
芯糸の角度次第で模様の仕上がりが決まるため、意識して整えましょう。
きれいに仕上げるための工夫
初心者が美しい仕上がりを目指すには、編み方だけでなく作業環境も重要です。
以下を実践することで、完成度の高いマクラメ作品に近づけます。
-
明るい場所で作業する
-
糸が絡まないよう整理しながら編む
-
こまめに模様の形を確認しながら進める
- 対称形につくるときは上下左右など交互に作業を進める
基本を覚えたら挑戦したい作品アイデア
基本の6種類の編み方を覚えたら、実際に作品づくりに挑戦してみましょう。
アクセサリー:ブレスレット、ピアス、ネックレス、アンクレットなど。
小物から始めると練習にもなり、完成品として使えるのも魅力です。
同じ編み方でも糸の太さや色を変えるだけで印象が大きく変わります。
天然石やビーズを加えると、より個性的なアクセサリーを作ることができます。
インテリア:タペストリー、プラントハンガー、ランプシェード

実用小物:キーホルダー、コースター


まとめ
マクラメは「編む」だけで作れるシンプルな技法ですが、基本をマスターすることで無限のアレンジが可能です。
今回紹介した 平編み・ねじり編み・巻き結び・タッチング・ライン結び・四つ編み の6種類を習得すれば、初心者でも本格的な作品が作れるようになります。
まずは基本を丁寧に練習し、自分だけのオリジナル作品を作ってみましょう。
糸(コットンロープやワックスコードなど)
はさみ
メジャー
作業用ボード
クリップ・ピン
安定した編み目ができる
左右交互に組み替えながら編むことで平らな模様を作れる
平編みを同じ方向だけで編み続ける方法
動きのあるデザインになる
平編み同様、ネックレスやブレスレットのアジャスターとして使われる
芯糸に沿って糸を巻き付けるように編む方法
デザイン画に合わせて編み進められるので重宝される編み方
長いライン(編地)を作ることができる
石包みに使われる編み方
タッチングと同様に長いライン(編地)を作ることができる
ぼこぼこした編み目が見えにくいのが特徴
ネックレスなどの紐に使われる
しっかり左右に引き締めながら編むときれいな仕上がりになる
慣れないうちは、必要な長さより余裕を持ってカットする
一定の力加減で編むことが大切
左右のチカラの差に気を配る(聞き手が強くなりやすい)
巻き結びは1回目の編み目がゆるくなりがちなので注意する
作業ボードにクリップなどで固定しながら進める
芯糸を持つ角度を左右揃えることで模様が整う