曼荼羅アートの図案の魅力と描き方を解説 心が整うアートを始めよう


曼荼羅アーティストの大迫弘美です。
おもにボールペンを使った曼荼羅アートを描いています。


原画「天恵」

弘美
フクザツに見える曼荼羅アートでも作図の書き方が分かれば誰でも描けるようになります。まずは簡単な書き方から始めてみましょう♪

 

曼荼羅アートは、「中心から外に向かって規則的に広がる幾何学的な模様」で描かれています。

そのおもな特徴は「中心がある」「対称に描かれる」の2つです。
これを踏まえて描くと、きれいな曼荼羅模様が描けるようになりますよ♪

 
この記事で分かること

  • 曼荼羅アートの基本的な特徴
  • 宗教的曼荼羅との違い
  • 作図をするためのアイデアとヒント
  • 初心者でもできる図案の描き方

 

 

曼荼羅アートとは

 

曼荼羅アートとは、基本的に「中心から外に向かって規則的に広がる幾何学的な模様」のことです。

宗教的な曼荼羅に比べて、色や形、デザインが自由であり、いわば自分の世界観を描くアートのことです。

 

曼荼羅アートの基本的な特徴

 

原画「gate of dream」


曼荼羅アートの図案は、中心から広がる幾何学的な模様が特徴で、見ているだけで心が整うような効果があります。

基本的な特徴には、

  • 中心から放射状に円型または四角形に広がるデザイン
  • 左右対称で描かれることが多い
  • 点や線、円、花模様などの繰り返しで描く
  • 直感や感情にまかせて描くこともある
  • 描くことで瞑想状態やリラックス効果が得られる

などがあります。

中心から描くことで、心理的にも内から外へと向かい心を解放する効果があるとされています。

 

宗教的曼荼羅との違い

 

 

曼荼羅は宗教の儀式や修行で使われてきた神聖な図であり、長い歴史と深い意味があります。

ではその「宗教的曼荼羅」と、描く瞑想としてセラピー効果も期待され、世界中で楽しまれている「曼荼羅アート」とはどこが違うのでしょうか。

違いを見てみましょう。


宗教として使われる曼荼羅:

  • 主に仏教やヒンドゥー教において使われる
  • 宇宙の構造や悟りへの道を視覚化している
  • 修行・瞑想・儀式の中で用いられる

 

 


原画「輪廻」

 

曼荼羅アート:

  • 瞑想や自己表現、ヒーリングなど目的に描かれるアート作品
  • 宗教的な意味は持たず、誰でも自由に楽しめる創作活動
  • 幾何学的で中心から広がる形がベースだが、モチーフやスタイルは自由
  • 色使いもお好みでOK
  • 塗り絵やインテリア、アクセサリーにも応用されている。

 

中心から放射状に広がる幾何学模様という構造は同じでも、その描く目的は「心を整える」「集中力を高める」「癒し」など、よりパーソナルで日常的です。

花や葉っぱ、動物などの自然のモチーフを組み合わせて、独自の感性で自由に描けるのも魅力。

最近では塗り絵やワークショップのテーマとしても人気です。

また、曼荼羅アートは特別な道具がなくても始められるため、初心者でも気軽に楽しむことができるのも魅力の一つです。

 

弘美
以前ワークショップに参加してくれた小学生が、授業でも曼荼羅模様のコースターを作ったと教えてくれました。年齢問わず楽しめるアートなんです

 

 

曼荼羅アートを描くことで得られる癒しの効果

 


細かな点描の作業風景。集中してゾーンに入る


曼荼羅アートは「描く瞑想」といわれています。

集中力が高まり、脳内がリセットされることが知られています。
その理由として、

  • 日常にはない単純作業の繰り返しが ざわつく思考をストップさせる
  • 描く作業だけに没頭し、いわゆる「ゾーン」に入り込む
  • 図形を書く、または色を自ら選ぶことにより自己の解放に繋がり喜びを得る

などが挙げられます。


セラピーとしても利用される曼荼羅アートで得られる癒しの効果は、

 

  • 内なる自分と出会える
  • 心が解放される
  • 深い集中で脳内リセット
  • スッキリ感やリラックス効果が得られる
  • 思考が整理される
  • 人生の本来の目的を思い出す
  • 隠れていた才能が開く

 

などがあります。

 

曼荼羅アートの図案には、描いた人のそのときの気分や内面の状態が自然とあらわれます。

「今日は柔らかな線が多いな」あるいは「細かい模様がぎっしり詰まっているな」そんな変化に気づくことで、自分自身の今の状態を見つめ直すきっかけにもなり得るのです。

 

弘美
「曼荼羅アートは自分自身」とは師匠の教え。丁寧に描くことは丁寧に自分と向き合うことにもなります

 

 

図案を描くためのアイデアとヒント

 

曼荼羅アートは「どんな図案にしよう?」と迷う時間も楽しいもの♪

ここでは描くときのヒントになるアイデアを3つご紹介します。

 

幾何学模様から広がる曼荼羅図案

 

曼荼羅アートといえば、やはり幾何学模様です。
円、ひし形、涙型など、基本的な形を繰り返し配置するだけでも美しいパターンが生まれます。

まず、定規やコンパス、分度器を使って放射状に線を描きます。
そしてお好みの幾何学模様を放射状の線に合わせて回転させます。

以下の動画を参考にしてみてくださいね。

 

シンプルな形から始めましょう。
図形を増やして少しずつ複雑にし、自分好みの曼荼羅アートに仕上げてみましょう。

 

花や植物のモチーフを使った図案

 

花や葉っぱを曼荼羅アートのモチーフに使うのもビギナーには楽しいものです。
対称を意識して描くとより曼荼羅アートらしくなります。

放射状に線を書いて、それを目印に花や葉を描くと書きやすいです。

 

 

 

このようなモチーフは、曼荼羅塗り絵にも最適です。
動物を描くのも楽しいですね。

 

応用編 あえて非対称形にする

 

 

非対称に描くときも、中心のモチーフは対象で描くと曼荼羅アートらしくなります。

周囲の装飾はバランスを見ながら書き足しましょう。

 

曼荼羅アートの下絵のコツ:

  • 中心からの放射状の配置→ 「中心から広がる」構成を意識
  • リズムと繰り返し→ 点・線・円・花模様などを繰り返す
  • 対称性とバランス→ 左右対称や円対称を意識することで調和のある構図に
  • 非対称形にするときでも、中心の対称形と左右のバランスをみる

 

弘美
どんな曼荼羅アートを描くときでも中心をバシッと決めることが、曼荼羅アートを描くコツなんです

 

 

初心者でも楽しめる!図案の描き方

 

コンパスや定規など図案を書くための道具

 

 

図案を書くために必要な道具は、

  • 用紙
  • コンパス
  • シャープペンシル(鉛筆)
  • 分度器
  • 定規
  • 消しゴム
  • 下敷き です。

 

ほとんど100均で手に入れることができますが、使い心地の良いものを使うようにしましょう。

 

弘美
私は黒画用紙を使うことが多いので、定規・分度器はその素材が透けないものやメモリが黒色ではないものを選んでいます(メモリが黒いと見えにくいんです)
ストレスを減らして、長く楽しめる工夫をしています。

 

図案の書きのポイントとコツ(円型の曼荼羅アートの場合)

 

  1. まずは、曼荼羅アートを描く中心を決めます(十字線を引く)。
  2. そして、中心に描きたい大きさの円を書きます(外周の円)。
  3. ガイドの線(青い線)を、中心から任意の角度(この場合は60度)で書き入れます。
  4. ③で書いたガイド線の中心に合わせてモチーフを書きます。
  5. 60度のガイド線に合わせてモチーフを回転させて書くと⑤になります。
  6. ※③のガイド線を30度にすると⑥になります。

    モチーフが同じでもガイド線の角度によって模様が変わります。

 

 

 

四角形の曼荼羅アートを描くときも、図案の書き方は同じです。

 

 

コンパスを使った図案(シードオブライフ)

 

シードオブライフをアレンジした原画「will」

 

「シード・オブ・ライフ(Seed of Life)」は、神聖幾何学模様の基本的なパターンの一つです。
7つの円が重なり花のような形をしています。

神聖幾何学模様とは古代から世界各地でみられる模様です。
曼荼羅アートとは別物ですが、その神聖さから曼荼羅アートのモチーフにされています。

その神聖幾何学模様のなかでもシンプルな模様が「シード・オブ・ライフ」です。
シンプルゆえに、アレンジを加えてオリジナリティを出すこともできます。

ぜひ書き方を覚えてくださいね。

 

シード・オブ・ライフの書き方

  1. 書きたい個所の中心を決める(十字線を書く)
  2. 中心に円を書く
  3. 十字線の縦線と②で書いた円の交点(黒点)を中心にした円を2つ追加で書く
  4. ②で書いた円と③で書いた円の交点(黄点)を中心にした円を4つ追加で書く

 

 

弘美
コンパスが上手く扱えない場合は、コンパスはそのままで用紙を動かすと書きやすくなります

 

 

アート作品として仕上げよう

 

図案が出来たら、仕上げの画材を使ってアート作品に仕上げましょう。

好みの画材を使って色を塗ると、世界で一枚の作品になりますよ。

 

ミリペンでシンプルに

 

 

ミリペンとは、製図やイラスト、マンガなどでよく使われる線画で使われるペンです。
ペン先が0.03mm〜1.0mm程度と幅広く、なめらかに描くことができます。

  • Sakura Pigma Micron(サクラ ピグマ・マイコロン)
  • Copic Multiliner(コピック マルチライナー)
  • uni PIN(ユニ ピン)

など、いろいろなメーカーがあります。

ペン先の太さもさまざまでカラーもメーカーによって違いますので、好みのものを見つけるのも楽しいです。

 

そしてミリペンで描くときのコツは、

  • 図案の線をなぞる
  • 点描で影を表現し立体感を出す
  • 葉脈のような筋を入れる
  • モチーフの周りを塗りつぶす 

などです。

 

弘美
決まりはないので自由に描いてみましょう

 

 

お絵かきアプリや色鉛筆などを使って塗り絵として楽しむ

 

図案が出来たら色を塗って楽しみましょう。

色鉛筆やクレヨンで塗るのも楽しいですし、パソコンにデータとして取り込んでペイントなどのアプリを使うとあっという間に仕上がります。

アプリで色付け


ただ曼荼羅アートの癒しの効果を高めるには、手を使って「塗る」ことをおススメします。

その理由はおもに3つ。

  • 色を選ぶ行為そのものが今の心理を表している
  • 選んだ色で塗ることが「自己表現」や「自己解放」になる
  • 塗るという単純な作業が心を安定させる

 

弘美
図案が同じでも、日によって選ぶ色や塗り方に違いが出るんです

 

 

ボールペンで作品に仕上げる

 

ボールペンで描いた原画「transformation」

 

色鉛筆やクレヨンと同じように、カラーボールペンも画材の一つになります。
ボールペンだけではなく、マーカーペンも使うと表現の幅が広がります。

おもなメーカーと特徴をまとめました。

  • サクラクレパス:ボールサインシリーズなど発色がよく重ねて描けるのが特徴。
    カラーバリエーションも豊富。
  • PILOT:juiceシリーズはバリエーションが多く、なめらかで描きやすい。
  • uni 三菱鉛筆:ポスカはペンの太さとカラーバリエーションが多い。重ね描きができる。

 

ペンで描くときに、点描で塗るだけではなく、「線」や「丸○」を組み合わせて描くと表現豊かな作品に仕上げることができます。

 

弘美
ペンで描く曼荼羅アート講座については詳しくは → こちら

 

 

配色のポイント

 

 

曼荼羅アートを仕上げる時の色パターンには、単色・2~3色・多色使いがありオリジナリティが発揮される部分です。

それぞれのコツを以下にまとめました。

単色:ペンによって明度(色の明るさ)が違うので数種類のペンを使ったり同じ色でもペンの太さを変えたりして描くと奥行きのある作品になる。

2~3色:色相環で隣あう色は調和のとれた色合いになる。一方、対角にある補色同士はビビットな印象になる。3色にする場合は、隣り合う色に補色となる色を足すとよい。

多色:色相環を意識してバランスを見ながら描くとよい。

 

多色使いで描いた原画「いのちの煌めき」

 

弘美
配色は洋服のコーディネートと同じです。同系色に差し色の小物を入れるとバランスがぐっと良くなりますよね!

 

 

まとめ

 

曼荼羅アートとは

  • 中心から放射状に広がる幾何学模様を自由に描くアート
  • 宗教的な意味は持たず、誰でも楽しめる自己表現
  • 中心があり、対称に描かれることは多い
  • 描くことで心が落ち着き、集中力がアップする
  • 内面が整い、心の解放やセラピー効果も期待できる
  • 塗り絵やインテリアとしても楽しまれている

 

図案の描き方とコツ

  • シャープペンシル、定規、コンパスなど道具を準備する
  • 曼荼羅アートの中心を決めて、中心からの放射状に配置する
  • 左右対称や円対称を意識することで調和のある構図になる
  • モチーフを繰り返して描く
  • 描き方①:幾何学模様を放射状に展開する
  • 描き方②:花や葉模様を放射状に展開する
  • 描き方③:シードオブライフなど神聖幾何学模様を使って描く
  • 描き方④:決めた中心から非対称に広げて描く

 

アート作品として仕上げよう

  • アプリより手描きの方が心理的効果がアップする
  • ミリペン、色鉛筆、ボールペンなどを使って、個性的に仕上げよう
  • ペンの太さを変えて描くと奥行きのある作品になる
  • 単色で描くときは、色の明度(明←→暗)を意識して描く
  • 2~3色で描くときは、補色を使うとメリハリが出る
  • 多色で描くときは、色相環を意識して描く

 

 

 

 

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