曼荼羅アーティストの大迫弘美です。
主にボールペンを使って曼荼羅アートを描いています。
原画「始まりの花」
曼荼羅アートとは、「中心から外に向かって規則的に広がる幾何学的な模様」のことです。
仏教やヒンドゥー教での修行や儀式にその始まりがあるとされる曼荼羅は、今ではアートとして世界中で描かれています。
宗教を越え、様々な国・地方で、様々な画材で描かれる曼荼羅アート。
描く瞑想ともいわれ、心が整うアートとして広く知られるようになってきました。


この記事で分かること
- これだけあれば大丈夫 最低限必要な道具類
- 描きやすい紙の大きさ
- 点と線と丸が描ければOK 曼荼羅アートの基本的な構造
- 上達しながら描き続けるコツ
目次
道具を準備しよう
自分に合った用紙とペンを選ぼう

ペンで描く曼荼羅アートに必要な道具は、
- 用紙
- ペン
- シャープペン
- 消しゴム
- 定規
- コンパス
- 分度器 の7つです。
これらの道具は100円ショップで揃えることもできます。
中でも一番大切なのは、「用紙」と「ペン」です。
何色のどんな用紙とペンを使うかで、作品の雰囲気も出来栄えも違ってきます。
例えば、
- 黒画用紙or白画用紙
- カラーペンor黒ペン
- 一色づかいor多色使い
描こうというキッカケになった作品に近い用紙とペンを選んでもいいし、大人買いで一気に揃えても◎。
まずはお手軽に~という方は、「黒画用紙と白ペン」または「白画用紙と黒のペン」を揃えてみるといいですね。

紙の種類と大きさ

おススメなのは、表面がツルっとした用紙です。
表に凹凸がある用紙だと、どんなペンで描いても引っかかってしまうからです。
筆圧が強めな方ほど描きにくく感じるので、表面が平らな用紙を選びましょう。

白画用紙に代表される淡色系の用紙を使うと、柔らかな印象の曼荼羅アートになります。
どちらかというと、自然界にある花に近いイメージです。
黒(濃い色の)画用紙は、ペンの発色が良く星のように輝いている印象です。
宇宙に煌めいている星空のイメージです。
描きたいイメージで選ぶといいですね。


※左:15㎝角、中央:10㎝角、右上:名刺サイズ、右下:はがきサイズ
直径8cm前後の大きさが描きやすいかと思います。
小さすぎても大きくても、それなりに描きにくいです。
おススメは、フレームが手に入れやすい「はがきサイズ(100×148mm)」です。
はがきサイズの用紙だと、直径約8cmで描くことができます。
また、100円ショップで手ごろなサイズのフレームが販売されていることがあります。
そのサイズに用紙をカットして描くのもおススメです。
直径8~10㎝のサイズに慣れてきたら、もっと大きなものにもチャレンジしてみましょう。
一般的には、15cm角の用紙に描かれていることが多いです。

ペンは何を揃えたらいい?
店舗に行くと、様々なペンが売られていて何を選んだらいいか迷ってしまいます。
選ぶときに知っていてほしいのは、黒(濃い色の)画用紙には発色しないペンがあるということです。

※似ているようで、色や太さ、発色が違うものもあります。
筆記具は白い紙に使うことが多いので、濃い色の紙には書けないペンも多いのですね。
濃い色の紙に描きたいときには発色するか試し書きをして買うようにしましょう。
ちなみに、商品の紹介に「重ねて描ける」「ガラスにも描ける」「不透明インク採用」などと書いているときには濃い色の紙にも発色することが多いです。
また、とりあえずお試しで揃えたいときには、太さの異なる同じ色のペンを3本ほど揃えましょう。
ペン先が、0.3~0.5の細字、0.7前後の中字、1.0の太字をそれぞれ1本ずつで大丈夫です。

ペンについては↓こちらのページに詳しく紹介しています。
描き始めのコツ:まず図案と色を決める
図案と色を考えよう

道具が揃ったら、曼荼羅アートのもとになる図案を考えましょう。
慣れないうちはシンプルなものがおススメです。
形がすでに整っている神聖幾何学模様も使いやすい図案の一つです。
図案を書くときには、後に消すことを考えて薄く書きましょう。
目立ちにくいカラーの替え芯を使うのも◎

図案が決まったら、大まかに色を決めましょう。
描きながら決めてもいいのですが、
そうすると、途中で迷いが出てまとまりのないものになるのが初心者さんにはありがちです。
- 単色
- 暖色系、寒色系
- 2色
- 虹色配色などの多色
など色の傾向を決めて、使わない色のペンは机に出さないでおくと迷子になりにくいです。
メインの線(枠線)を決める
ペンで描く曼荼羅アートを描く手順は、
- 中心から外側に
- メインの線(枠線)を描いて、その内側を装飾する です。
中心から外側に描く手順は、曼荼羅が持つ本来の内から外に向かって意識を拡大していくことに由来しています。
また、インクが乾く前に触れて作品を汚すのを防ぐという実用的なことも兼ねています。
中心から外側に向かって描きながら、ガイド線など使わない線は消しましょう。

曼荼羅アートの3つの要素 線・点・丸の描き方動画
ペンで描く曼荼羅アートは、線・点・丸の3つの要素で描かれています。
それぞれの描き方と使い分け方を紹介します。
線:
- 太い線(太字を使う)→ 主に枠線
- 細い線(細字または中字を使う)→ 装飾で使用
点:主に細字のペンを使う
- グラデーションの点描 → 淡く色を付けたいとき
- ランダムの点 → 点滅(キラキラ感)や動きを表現したいとき
丸:
- 枠線に沿って丸を並べる → 枠線の強調
- 枠内に単独または並べて描く → 装飾
清書のコツ:シンプル イズ ベスト
曼荼羅アートの3つの要素「線・点・丸」を組み合わせて、清書(ペン入れ)します。
上達しながら続けていくコツは、
- 急がない
- 描き込みすぎない
- 全体のバランスを見る です。
それぞれについて説明しますね。
自分と対話する気持ちで、ゆっくり描こう
どんな習い事でも、始めたばかりのころは時間を忘れるくらい夢中になるものです。
また、これまでの生徒さんをみていると、描きたい気持ちが先走って完成を急ぐ傾向があります。
曼荼羅アートは自分自身を見つめるツール。
自分の呼吸を感じながら、ゆっくりと描きましょう。
さらに付け加えると、ペンはインクが乾くまでの時間が必要です。
焦って描いて、乾いていない部分に触れて作品を汚してしまうこともありがち。
以下、曼荼羅アートの描き方(参考動画、8倍速 約11分)です。
※動画では作品は未完成
人の集中力は最長90分ともいわれています。
適度に休憩を入れながら、描くプロセスも楽しみましょう。

足りないくらいがちょうどいい
習いたての頃は、あれもこれもと模様を詰め込む人も多いです。
好きな作家の作品をたくさん見て、あれも描きたいこれも描きたいと思うのですね。
曼荼羅アートの基本的な描き方は「パターンの繰り返し」です。
同じことの繰り返しで描くことで、まとまりある作品になります。

こちらの見本作品を見て分かるように、パーツを少しずつ足しながら、パターンを繰り返して描いています。
このような描き方だと、迷いことも少なくスムーズに描けるかと思います。

全体を見る習慣を
描く瞑想といわれる曼荼羅アートは、夢中になって描いていると視野が狭くなって、一点集中、描いているところだけ見ていることがあります。
そして、ふと我に返り「描き込み過ぎた!」となるのです。
特に点描しているときには、以下を意識して見ている範囲を広げるようにしましょう。
- 点描している枠全体を見る
- 隣の枠も見る。
- 手を止めて全体のバランスを見る
中心の描き方
曼荼羅アートの中心部分は、作家の個性が一番表れるところです。
講座では私のオリジナルのメソッドを伝えていますが、人それぞれ好きなように描いて良いと考えています。
ここではいくつか例を紹介します。
- 中心に点(または大き目の丸)を描く
- ラインストーンや天然石などを貼る
- 星型☆、ハート型♡などモチーフを描く
- 梵字や龍体文字などを書く
- 動物を描く
- アクリル絵の具を塗る

まとめ
濃い色の用紙を使うなら、それに発色するペンを選ぶ。
白画用紙など淡色系:柔らかな印象
黒画用紙など濃い色:星のように輝いている印象
単色 or 多色、暖色系 or 寒色系 など傾向を決めておくとよい。
・中心から外側に
・メインの線(枠線)を描いて、その内側を装飾する
・太い線 → 枠線
・細い線 → 装飾の線
・グラデーションの点描 → 淡く色づけたいとき
・ランダムの点 → キラキラ感や動きを表現したいとき
・枠線に沿って並べる → 枠線の強調
・枠内に単独または並べる → 装飾
