曼荼羅アーティストの大迫弘美です。
主にボールペンを使って曼荼羅アートを描いています。

曼荼羅アートは、中心から幾何学模様を広げる“描く瞑想”。
ペン一本から始められる手軽さで、あわただしい日常の中でも深いやすらぎを感じられるアートです。
中心から外へと模様を拡げながら描く作業に没入することで、複雑な思考が静まり、脳内がリセットされます。
それは、雑音の多い今の時代の人たちにはとても心地よい時間です。
観るだけではなく、みずから描くことで自分の内面を映し、新たな気づきや創造のエネルギーが湧いてくるセラピー的ツールなのです 。
この記事で分かること
- 曼荼羅アートのセラピー的効果
- 初心者さん向け おすすめの曼荼羅アート
- なぜ曼荼羅アートを描くのか
目次
曼荼羅アートのセラピー的効果
曼荼羅アートのシンプルな図形を組み合わせて描くリズムは、意識を日常から離し、描くことに没入させてくれます。
また、円形や対称形などの整った形を描くことで、思考や感情のバランスを自然と整えることができるのです。
ストレスを和らげる
曼荼羅アート ワークショップでの一コマ
曼荼羅アートは、「描くことに集中する時間」を通じて、心を落ち着かせる作用があります。
ペンを動かすリズムや模様を繰り返し描く作業は、瞑想に似た状態を生み、脳内の雑音を静めてくれます。
現代では「マインドフルネス」の一環としても注目されています。
ストレスを感じたときに描くだけで、気持ちが整理され、本来の自分を取り戻すことができるのです。
マインドフルネスとは
「今、この瞬間」に意識を向けて、丁寧に感じながら過ごすこと。
(例)
- 呼吸に意識を向ける
- 食べる・歩く・描くことに集中する
- 過去や未来ではなく、“今ここ”を味わう

自己の解放 素の自分に気づく
原画「true appearance(真実の姿)」を見つめる女性
曼荼羅アートは、自分の内面を映す“心の鏡”とも言われます。
ふと目に留まって近づいた作品のタイトルに「ハッ」とする――そんな場面に何度も遭遇しています。
みずから描くときも同じです。
どんな色でどんな模様を描くか、そこには自分自身の無意識の感情や思考が自然に現れます。
完成した曼荼羅アートを見ることで「今の自分の状態」に気づくことができ、心が整い始めます。
また、中心から外へと描き進めることと心の内を解放することがリンクし、本当にやりたかったことに気づくこともあります。

自己肯定感を高め、互いの違いを認め合う
曼荼羅アート ワークショップでの一コマ。「みんな違ってみんないい」
曼荼羅アートには「正解」がありません。
ワークショップ(体験会)には見本を用意していますが、自由に描いてOKとしています。
また、同じ見本を見ながら描いても、人それぞれ、同じにはならないのが曼荼羅アートの面白さでもあるのです。
自分の感性で完成させた曼荼羅アートは“世界にひとつだけの作品”です。
描き終えたときの達成感や、仕上がった満足感は、「私はこれでいい」と感じられる自己肯定感につながります。
自己肯定感が高まることで互いの違いを尊重し、自他ともに認めあうことができるのです。
創造性と潜在能力の発揮

曼荼羅アートには、心を癒すだけでなく、自分の中に眠っている力や可能性を目覚めさせる働きがあります。
何度も繰り返し描いていくと、「本来の自分」に何度も繰り返しアクセスすることになります。
そして、自分自身でも忘れかけていた本当にやりたかったことに気づくのです。
また、模様や色を自由に選びながら描いていくうちに、「こんな色の組み合わせ、初めてだけど好きかも」「自分にもこんな表現ができるんだ」と、新しい感性や発想が生まれてくることもあります。
曼荼羅アートを描くという創造力は、
- 持っていた才能が開花する
- 新しい可能性に気づく
キッカケを与えてくれるものなのです。

初心者さんにおすすめの曼荼羅アートセラピー
曼荼羅塗り絵

線画の曼荼羅アートに色を塗る、大人のぬりえです。
色鉛筆、カラーペン、クレヨンなどいろいろな画材で楽しむことができます。
図案はフリーサイトにも多くあり、ぬりえ本として書店にも並んでいます。
色を選んで塗るというシンプルで、セラピー効果も期待できる取り入れやすいアートです。
パステル曼荼羅アート

パステルというチョークのような画材を削って粉にし、指やコットンなどでクルクル塗って描くアートです。
淡い色合いは、気持ちをやわらげ、深い安心感をもたらしてくれます。
絵が苦手な方でも型を使えば簡単に楽しめるので、癒しのアートとしてとても人気があります。
ペンで描く曼荼羅アート(点描曼荼羅)

ボールペンやマーカーペンで表現した曼荼羅アート(点描曼荼羅)です。
ペンを使い細かな点描のみで表現されることが多い一方で、私のように丸やのびやかな線と点描を組み合わせて描く作家も増えてきています。
黒画用紙に描かれるのが一般的で、キラキラと煌めくアートとして親しまれています。

なぜ曼荼羅アートを描きたくなるのか?
様々なアートがあるなかで、なぜ曼荼羅アートなのか。
それは単なる思いつきではなく、心の奥にある“無意識の声”なのかもしれません。
中心を求める心理
原画「白日」に見入る女性
忙しい日常の中で、私たちの意識は「自分以外の”外側”」に向いています。
仕事や家事育児、人間関係が優先されて、自分のことは後回しになっていることも多いですね。
曼荼羅アートは「中心」から始まり、外へと広がっていく構造です。
この「中心」は、無意識の中で「本来の自分」や「自分の居場所」を象徴しています。
曼荼羅アートを描きたいという衝動は、心のどこかで「一度立ち止まって、ちゃんと自分を見つめたい」というサインなのかもしれません。
また、曼荼羅アートの円形や対称形は、安心感や安定感を与えます。
曼荼羅アートに触れることで、安心して本来の自分を見つめることができるのかもしれません。

心の整理と癒しを求めて
原画「内観」
曼荼羅アートを描くプロセスは、色や模様を通して「今の自分」と向き合う時間です。
「今日は明るい色を使いたい」「なぜかこの形がしっくりくる」――その選択のすべてが、心の表れです。
また、描くことに集中していると脳内の雑音が消えて思考がシンプルになります。
絡まっていた糸が解れるように思考が整理されて、やるべきこと・やりたいことが見えてくるのです。

本来の自分と出会う

先にも書いたように、曼荼羅アートを何度も繰り返し描いていくことは「本来の自分」に何度も繰り返しアクセスすることです。
雑音から離れ、円形や対称形という秩序ある形を描くことで、私たちは自然と内なる自分につながっていきます。
日常では意識しない“本当の気持ち”や“本来の自分”に気づくことができるのです。
曼荼羅アートを描きたくなるのは、本来の自分を取り戻したいという心の表れなのかもしれません。

まとめ
描くことに集中する時間を通じて、心を落ち着かせる作用がある
どんな色を選びや模様を描くかに、今の自分が表れる。
心の状態を知ることができる
描き終えた時の達成感や満足感が自己肯定感を高める
自己肯定感を高まることで、自他ともに認めあうことができる
何度も繰り返し描くことで本来の自分に何度もアクセスし、やりたかったことに気づく
曼荼羅アートを描くという想像力は、「才能の開花」「新たな可能性」のキッカケを与える
線画の曼荼羅アートに色を塗る「大人のぬりえ」
色鉛筆・カラーペン・クレヨンなどの画材で楽しめる
フリーサイト、書店のぬりえ本などで図案を手に入れられる
チョークのようなパステルという画材を使って描くアート
絵が苦手でも型を使って簡単に楽しむことができる
点描のみで描かれたり、点描と丸・線を組み合わせて描かれるアート
黒画用紙を使うことが多い
