曼荼羅アートは、円の中に模様を描いていくシンプルなアートです。
特別な画力や美術の知識がなくても、道具さえあれば今日から始められます。
この記事では、曼荼羅アートの基本的な種類や必要な道具、初心者の方でも迷わず描き進められる手順を、順を追ってご紹介します。
さらに、多くの解説記事では触れられていない「描き続けるための考え方」についても、私自身の講師としての視点からお伝えしていきます。
こんにちは、曼荼羅アーティストの大迫弘美です。
2013年にパステルという画材で描く曼荼羅アートに出会い、2017年からはペンを画材に曼荼羅アートを描いています。
曼荼羅アートは、上手に描くことがゴールではありません。
描いている時間そのものが、心を整えるひとときになる
そんなアートの世界を、これから一緒にのぞいていきましょう。
曼荼羅アートとは?初心者がまず知っておきたい基本
曼荼羅(マンダラ)は、もともと仏教やヒンドゥー教で使われてきた、円を基本とした図像のことです。
儀式や修行で使われてきました。
現代の曼荼羅アートは、その円形の構造を取り入れながら、宗教的な意味合いよりも「描く楽しさ」や「心を整える時間(マインドフルネス)」を目的として親しまれています。
ペンや糸、パステルなど、使う画材によって仕上がりの印象が大きく変わるのも魅力のひとつです。
曼荼羅アートの意味と由来
曼荼羅は、サンスクリット語で「円」や「本質を持つもの」を意味する言葉から来ているとされています。
チベット仏教の砂曼荼羅や、密教の曼荼羅図など、宗教美術の世界で古くから描かれてきました。
一方で、現代のアートセラピーの分野では、宗教的な背景を離れて「自由に描く曼荼羅」が広まっています。
心理学者ユングが患者に円形の模様を描かせたことをきっかけに、心を整える手段としても注目されるようになりました。
曼荼羅アートが心にもたらす効果
曼荼羅アートは、同じ模様を繰り返し描く作業が多いため、自然と手を動かすことに集中しやすくなります。
この「繰り返しの作業に没頭する時間」が、雑念を減らし、気持ちを落ち着かせることにつながります。
いう時間を持てる」という視点で読み進めてください。
実際に、これまで生徒さんからも、曼荼羅アートを描くことで気持ちが変化したという話を聞いてきました。
ワークショップでは、「自分に描けるのかな」と仰っていた方が、描き始めるとどんどん夢中になり、あれよあれよという間に作品を完成させたり、
また、個人的な問題が起きているときにも曼荼羅アートを描くことで、気持ちが落ち着き、起きている問題と自分自身に向き合うことができたという生徒さんもいます。
このように曼荼羅アートは、ただ作品を完成させるための時間ではなく、単純な繰り返しの動作によって心が整い、自分自身と向き合える時間にもなるのです。
曼荼羅アートが「描く瞑想」とも言われるのは、こういった心への働きかけを体感できることにあります。
曼荼羅アートの種類|線描・ペン画・塗り絵・糸かけ・パステル
曼荼羅アートには、いくつかの種類があります。
使う画材や描き方によって印象が大きく変わるため、まずは全体像を知っておくと、自分に合ったスタイルを選びやすくなります。
線で描く曼荼羅アート
ペンやマーカーを使い、線で模様を描いたり塗りつぶしたりして描きます。
下描きの円と補助線を頼りに模様を重ねていくため、道具が少なく始めやすいのが特徴です。
色を使わないシンプルな線描でも、模様の組み合わせ次第で表情豊かな作品になります。
ペンで描く曼荼羅アート
ボールペンやマーカーペンなどを使って、線、点、丸の組み合わせで曼荼羅アートです。
カラーバリエーション豊富で発色のよいペンを使うので、鮮やかさが特徴的です。
丸をまん丸に描く、点描でグラデーションを表現するなど、集中する作業が続くため、瞑想的な時間になりやすいといわれています。
塗り絵タイプの曼荼羅アート
あらかじめ印刷された曼荼羅の下絵に、色鉛筆やペンで色を塗っていくスタイルです。
構図を考える必要がないため、「描く」よりも「色を選ぶ・塗る」ことに集中したい方に向いています。
糸かけ曼荼羅アート
厚紙や木のボードに釘やピンを打ち、そこに糸をかけていくことで模様を作るスタイルです。
ペンや絵筆を使わないため、「絵を描くのが苦手」という方でも幾何学的な美しい模様を作りやすいという特徴があります。
パステルアートで描く曼荼羅アート
パステルという画材を粉状にして指でぼかしながら色をのせていく、パステルアートの技法を曼荼羅に取り入れたスタイルです。
線描や点描とは違い、色の重なりやぼかしの柔らかさを楽しめるのが特徴です。

曼荼羅アートを始めるために必要な道具・材料
曼荼羅アートは、特別な画材を揃えなくても始められるのが魅力です。
まずは基本の道具から確認していきましょう。
・定規
・鉛筆(下描き用)
・ペン、マーカー、色鉛筆など仕上げに使う画材
・画用紙やスケッチブックなど描く用紙

下絵は無料でダウンロードできるものや以下のように本になっているものもあります
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線描・ペン画に共通する基本の道具
線描・ペン画タイプの曼荼羅アートでは、円と補助線を描くためのコンパスと定規が欠かせません。
下描きには鉛筆を使い、消しゴムで直しながら進めると失敗を防ぎやすくなります。
仕上げの画材は、線描であれば黒や紺のペン、ペン画であればボールペンやマーカーペンなど、スタイルに合わせて選びましょう。
あると便利なプラスアイテム
慣れてきたら、円をきれいに等分できる「分度器」や、模様の下描きに使う「型紙・テンプレート」があると作業がスムーズになります。
パステル曼荼羅アートの場合は、パステルを粉状にするためのカッターやナイフ、色を定着させるフィキサチーフも必要になります。
道具については以下の記事も参考になります。
初心者でもできる曼荼羅アートの基本の描き方
ここからは、ペン画タイプを例に、曼荼羅アートの基本的な描き方の流れをご紹介します。
初めての方でも、この4つのステップを押さえておけば迷わず描き進められます。
2. 円を等分して補助線を引く
3. 補助線に沿って模様を描き込む
4. 仕上げと色付けをする
中心を決めて円を描く
紙の中心に点を打ち、その点を軸にコンパスで円を描きます。
この最初の円が、曼荼羅アート全体の土台になります。
円を等分して線を引く
中心から放射状に線を引き、円を等分に分割します。
この補助線が均等であるほど、模様全体のバランスが整いやすくなります。
定規を使い、できるだけ角度を揃えて線を引くことがポイントです。
模様を描き込んでいく
補助線を目印にしながら、同じ模様を繰り返し描いていきます。
中心に近い部分は小さく細かい模様、外側に近づくほど大きく大胆な模様にすると、全体に自然な広がりが生まれます。
仕上げと色付け
模様が描き終わったら、余分な下描きの線を消しゴムで消し、必要に応じて色を加えます。
色を塗る場合は、中心から外側に向かって色の濃淡を変えると、立体感のある仕上がりになります。
ペンで描く曼荼羅アートの描き方については、以下の記事もご参照ください。
初心者がつまずきやすいポイントと描き方のコツ
曼荼羅アートを描き始めると、多くの方が同じようなポイントでつまずきます。
あらかじめ知っておくことで、必要以上に悩まずに描き進めることができます。
バランスが崩れてしまうときの考え方
円を等分する線がずれていたり、模様の大きさが左右で違っていたりすると、バランスが崩れて見えることがあります。
ですが、手描きの曼荼羅アートには、多少のゆがみやズレがあって当然です。
コンパスや定規を使っても、人の手で描く以上、完全な均一にはなりません。
そのズレも含めて「自分らしい模様」として受け止めることが、長く描き続けるための考え方につながります。
「上手く描けない」と感じたときの向き合い方
初心者のうちは、思うように模様が描けず、「自分には向いていないのかもしれない」と感じることも少なくありません。
でも、私は曼荼羅アートは「上手く描くためのもの」ではないと考えています。
もちろん、何度も描いていけば、技術は自然と身についていきます。
けれど、それ以上に大切なのは、自分の内側にあるものを表現することです。
話すことが得意な人が言葉で表現するように、言葉にすることが苦手な人は、曼荼羅アートを自分を表現するためのツールにすることができます。
幾何学模様を繰り返し描く曼荼羅アートだからこそ、言葉では表現しにくい感情や想いも、作品として表すことができるのです。
だから、「上手く描けているか」ではなく、「今の自分は何を表現しているのか」に目を向けてほしいと思っています。

曼荼羅アートをレッスンや講座で学ぶメリット
独学で曼荼羅アートを始めることもできますが、講座やレッスンで学ぶことで得られるものもあります。
ここでは、独学と講座それぞれの特徴を整理しておきます。
独学と講座での違い
独学の場合、書籍や動画を見ながら自分のペースで進められる自由さがあります。
一方で、円の等分や模様のバランスなど、つまずきやすい部分を自分だけで解決するのは時間がかかることもあります。
講座では、描き方の手順だけでなく、「なぜそう描くのか」という考え方や、つまずいたときの対処法をその場で教えてもらえるという違いがあります。
講座選びで確認したいポイント
曼荼羅アートの講座を選ぶときは、次のような点を確認しておくと安心です。
・全体のカリキュラムの回数と内容
・教材費が講座費に含まれているかどうか
・オンライン・対面どちらで受講できるか
・受講後も自分で描き続けられる内容になっているか
とくに最後の「受講後も自分で描き続けられる内容になっているか」は、意外と見落とされがちなポイントです。
私が開催している「曼荼羅アートbasic講座」では、ペンで描く曼荼羅アートの基本的なことを学びます。
模様の描き方はもちろん、さまざまな下絵の書き方を紹介しているので、自分に合った描き方を見つけることができます。
また、その上級講座であるadvance講座では、基礎を学んだからこそ湧いてくる疑問に応えていく内容になっていて、原則マンツーマン授業です。
さらに講師としてデビューされたい方向けのティーチャーサポート講座も開講しています。

ご質問などは、LINE公式からマンツーマンでお答えしています。
曼荼羅アートを描き続けるために大切にしたいこと
曼荼羅アートは、一度描き方を覚えたら終わり、というものではありません。
続けていく中で、少しずつ自分らしい模様や色の選び方が見えてくるアートです。
大切なのは、上手に描くことよりも、描いている時間そのものを楽しめているかどうかです。
模様が左右対称にならなくても、色の組み合わせが思っていたものと違っても、それは失敗ではなく、その日の自分の表現です。
線がかすれたり、丸がまん丸にならなくても、それこそがAIには描けない、「今の自分らしさ」だといえます。
- 少しミスしたとしても、それをデザインに取り込んでいく。
- ファッションやメイクを楽しむように、いつもと違う色の組み合わせや描き方にチャレンジする。
そうしていくうちに、自分のスタイルが創られていくのです。
描き続けることで、うまくいかないことも楽しみながら乗り越えていく強さと、テクニックが身についてきます。
よくある質問(FAQ)
Q. どれから始めたらいいですか?
A. お手軽に始めてみたいなら、無料ダウンロード出来る図案と色鉛筆から始められる塗り絵がおすすめです。配色を楽しむことができます。
自分でデザインしてみたいなら、線画、ペン画、パステル。
線画は黒や紺、白などの単色で描くことが多く、ペン画はカラーボールペンを使ってカラフルに描かれます。
柔らかい色調がお好きならパステルがおすすめです。
糸掛け曼荼羅は工作好きな方に向いています。
Q. 曼荼羅アートに絵心は必要ですか?
A. コンパスと定規を使って円と補助線を描くため、絵を描くのが得意でなくても模様を組み立てていくことができます。
Q. 曼荼羅アートを描く時間はどれくらいかかりますか?
A. 模様の複雑さや作品のサイズによって異なります。
小さめの作品であれば数十分から、細かい模様を描き込む作品では数時間~数日かかることもあります。
Q. 曼荼羅アートに決まったルールはありますか?
A. 中心から円を等分して模様を描くという基本の構造はありますが、模様の内容や色使いに厳密なルールはありません。
自由に表現を加えられるところも、曼荼羅アートの魅力のひとつです。
まとめ|曼荼羅アートは初心者こそ楽しめるアート
曼荼羅アートは、円と補助線というシンプルな構造をもとに、誰でも今日から始められるアートです。
線描・ペン画・塗り絵・糸かけ・パステルと、スタイルによって印象が異なるため、まずはいくつか試してみて、自分に合ったスタイルを見つけてみてください。
上手に描けるかどうかよりも、描いている時間を楽しめているかどうかが、続けていくための一番のポイントです。
現在、OpenHeart-Artで開催中の講座は2つ。
- 白画用紙に描くパステル曼荼羅アート講座(対面講座のみ)
- 黒画用紙にペンで描く曼荼羅アート ワークショップ(体験)&講座
パステル曼荼羅アートは対面講座のみですが、
ペンで描く曼荼羅アートはワークショップ/講座とも、オンラインでも可能です。
作品が完成したらぜひ飾ってみてくださいね。
飾り方のヒントはこちら👇








